メロンパンでコンゴ支援!「買う幸せが無意識に誰かの幸せに繋がる」そんな世界を作りたい

今回は、「メロンパンでコンゴを支援する」活動をなさっていた、生物科学を専攻し藻類の研究をする大学院1年生の牧野朋代さんに御寄稿頂きました。

メロンパン×コンゴって何!?変換は「今後」って出てくるんですけど!笑
そんな彼女の思いにぜひ耳を傾けてみて下さい~!

 

私は東大に入る際の科類選びのとき、学びたいことが具体的に決まっていなかったけれど「生物だけは興味ゼロだから絶対にやらない(笑)」と思って理科一類に決めました。

しかし何の因縁か、入学早々に化学の授業を通じて藻類の世界の広さを知って、そしてそれにも関わらずあまりにも注目されていなさすぎると感じ、その興味のまま生物学科に進学してしまいました。現在は大学院で藻類の進化の研究を行っています。

そんな私がこれまで学業以外のもう一本の軸として取り組んできた「メロンパンフェスティバル」についてお話しさせてください。

 

 

メロンパンフェスティバルとは?

おいしいメロンパンを食べる幸せを通じて、「世界最悪の紛争地」と呼ばれるコンゴ民主共和国(DRC: Democratic Republic of the Congo)を支援することを目的とした活動です。

 

“もしもメロンパンと同じくらい
身近な「あるもの」が紛争とつながっていたら、
わたしたちには何ができるだろう。”

身近なものが紛争と繋がっている。その事実を、「メロンパン」を通じてそれを伝える活動ができるかもしれないと思い、私たちは立ち上がりました。

 

これまでに全国各地のメロンパンが一堂に会する、国内最大のメロンパンの祭典「メロンパンフェスティバル」4回開催してきました。
このイベントの経費を除いた収益の一部(運営費以外)を、DRCで活躍する日本人女性や現地NPO(HEAL AFRICA)に寄付しています。

またいくつかのパン屋さんにご協力いただき、DRC支援チャリティ付きのメロンパンを店頭で販売していただいたこともあります。

今年5月のメロンパンフェスの様子

 

なぜコンゴ民主共和国(DRC)なのか?

自然も資源も豊かで、世界で11番目に広い国―――アフリカのコンゴ民主共和国(DRC)は日本ではあまりなじみのない国だと思います。

しかし実は私達にとって非常に身近なあるものと密接なつながりがある国です。

それは、スマートフォンです。

DRCでは、スマートフォンなどの電子機器に使われるレアメタル(タンタル)などの鉱物が採掘されています。
しかし、この採掘活動や鉱物の流通取引を通じて、現地の武装勢力にお金が入る仕組みになっています。

DRCでは、たくさんの武装勢力が今でも紛争を続けています。実はこの紛争は現在までに第二次世界大戦以降では最大となる数の犠牲者を生んでいます。

電子機器をつくるための鉱物採掘が現地の紛争の資金源となっている不条理な現状に対して、何かできないかという発案で始まったのがメロンパンフェスティバルです。

 

メロンパンを食べる幸せが紛争被害を受けた女性たちの自立支援につながります

 

なぜ私がこの活動をしているのか?

『良いものだから買った』ではなく、『買ったら良いものだった』で回る世界にしたい

メロンパンフェスティバル代表・平井の「『良いものだから買った』ではなく、『買ったら良いものだった』で回る世界にしたい」という理念に共感したからです。

 

前述のDRCの問題を知ったとき、自分が電子機器を使うことで、知らず知らずのうちにアフリカの人たちを傷つけてしまっているのか、とショックを受け、強い罪悪感を覚えました。

そして世界中に自分がまだ知らない社会問題は無数にあるけれど、知らなくてもそれらが自分と無縁ではなく、密接にかかわっている場合もあることに気づきました。

「身の回りの商品が自分の気づかないうちに社会問題とリンクしているかもしれない」と認識した時、「ものを買う行動には責任が伴うのだ」と思い至りました。
どの商品を選ぶかによって、誰かが傷つくことになるのかもしれないのだ、と。

その一方で、「ものを選ぶ度に、その裏側にあるいろいろな事情を考慮するなんて大変すぎる…」という気持ちは正直ぬぐえませんでした。

 

はじめは罪滅ぼしのような気持ちでメロンパンフェスティバルの発案者・平井に連絡を取り、2人で企画を進めていくことになりました。しかしのちに彼女が語ってくれた理念が私に一つの答えをくれました。

「何かを買うことで無意識に誰かを傷つけてしまっている状況があるなら、逆に無意識に何かを買ったらより良い社会につながるものだった、という仕組みも作れるはず」

自分が意識せず買ったものが、より良い環境や誰かの幸せにつながるものだったら、そんな素晴らしい世界ってないな、と思ったのです。

メロンパンフェスティバルはおいしいメロンパンを買って食べるという幸せが、DRCの支援につながる仕組みになっています。

みんな気軽に楽しく参加できて、より良い社会につながっていく…
そんなシステムが広がっていくといいんじゃないかと考えています。

 

こんな世界にしたい

「自分が物を買う幸せが、誰かの幸せやより良い環境につながる」ことが当たり前の世界にしたいです。

これまで私は、良い商品を買うことが誰かの幸せにつながる仕組みを目指して活動してきました。

理想としているのは、「クオリティの高い商品を作りだす、人や環境に配慮したサプライチェーンの仕組み」です。

ただ実際には、この世の商品すべてをそのような社会に配慮した仕組みに組み込むことは難しいでしょう。
そもそも絶対的な「良さ」ってなかなか存在しないと思っています。ある観点では「社会に良い」ものでも別の観点から見るとそうではないことが普通だと思うので。

 

そこで思うのは、「良いものを選ぶ」という一種の責任(誤解を恐れずいえば)を、私たち消費者は少なからず負う必要があるのではないかということです。

『買い物は選挙と同じ』という言葉を聞いたことがありますが、まさしくその通りだと私は思っています。
「この商品に込められたストーリーを応援したいから」というショッピングの仕方もあってよいと思うのです。

環境的・人道的配慮の上で生産過程や流通過程といった仕組みづくりを行っていくことと、ものの背景にあるストーリーに思いを巡らせて商品選びをすること。

私自身、消費者としての「選ぶ責任」の重さを軽減したくてメロンパンフェスティバルの活動を始めたわけですが、
買う側の思いやりと作る側の思いやり、この両輪が、誰かを傷つけることのない生産システムをつくっていくのに必要だと今は考えています。

 

そんな私からメッセージ

お買い物の度にその商品の裏側に想いを馳せることはとても大変でエネルギーの要ることです。

でも、一人一人の日常にほんのちょっとだけそんなシーンが増えるだけで、もっと世界に笑顔が増えると信じています。

買い物かごに入れる前2秒間、その物のストーリーに思いをはせてみませんか?

 

コンゴ民主共和国出身のアーティストを招いて。右端が筆者、左端がメロンパンフェス代表・平井

 

 

牧野さん、ありがとうございました!

私自身、罪悪感を感じるから、や、可哀そうだから、といった動機で行動したくないなと思っていて。これが美味しいから、好きだからっていうプラスの思いで意思決定したいなと思っています。だから、「『買ったら良い物だった』で回る世界にしたい」という牧野さんの理念に、すごく共感しました。

ランチできるのを、楽しみにしています!^^(興味ある方、是非’Join us’です!

 

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