ずっと行きたかったインド。「知的に熱い」時間が私を変えてくれた

今回は、国際関係論コース4年の納戸かなこさんにお話を伺いました。

知的な彼女がインド滞在で得た、新たな発見とは?

 

インドは、その圧倒的な色彩・パワー・ダイナミクスに惹かれて、高校時代から行ってみたい国NO.1だったのですが、なかなか一緒に行ってくれる友達が見つからず(笑) 大学の国際交流プログラムの中で見つけた今回のサマースクールは、安全が保障されている上、世界各国の学生と共に、長期間インドに滞在し、インドについて学ぶことができるという点で、本当に理想的な機会でした。アメリカでの交換留学・インターンシップの後、このプログラムに参加してきました。

 

個性豊かな仲間との濃い議論の連続を通して

サマースクールでは、想像以上に個性豊かで素晴らしい友人たちに出会いました。チベット、ブータンと言った、それまで出会ったことのなかった地域出身の友人たちとじっくり話す機会が与えられたことは、かけがえのない経験です。

授業最終日のFarewell Partyでの一枚。左から、チベット・日本(私)・香港・ブータン・アメリカ・インドネシア・バングラデシュからの参加者。

特に、年上のラオス人のルームメイトとは、女性としてのキャリアの考え方、国際化と自国の文化の保持といった、留学の1年を通して考えて来たテーマについて日々語り合いました。卒論が終わったらラオスを訪問する約束をしており、彼女とは生涯の友人になると思います。

JaipurのAmber Fortで撮ったお気に入りの一枚。右端がルームメイト。

 

実際に足を運んで肌で感じた開発経済

プログラムでは、インドに関して机上の知識を得るだけではなく、片田舎の村の学校を二週間ほど訪問して子供たちと交流したり、現地のさまざまな家族にインタビューをしたりする機会が与えられました。

カースト制度・貧富の格差と言った課題を生で目にすることとなり、頭を抱えたくなる時も多々ありました。その一方、言葉が通じなくても、困っている外国人を全力で助けてくれる現地の人のフレンドリーさ、植民地支配という闇を含めた文化・歴史の豊かさには常々感銘を受けました。特に、直前の1年間アメリカにいたこともあり、物質的な豊かさと、文化・コミュニティーの豊かさについて考えさせられました。

私が六年生を教えていた公立学校の様子。同学年でも生徒の学力にはかなりばらつきがあり、苦労しました。

私の専攻は開発経済学なのですが、これから急成長を続けていくだろうインドでは、持続可能性、現存の先進国とは少し異なる発展経路に関する議論が熱くなされており、昨年プリンストン大学で受けた開発経済学の授業とは全く違う視点を得ました。教授陣はみな丁寧に、熱を持って質問に対応してくださり、薦めていただいた本の何冊かは、卒業論文を進める上でも非常に参考になっています。

 

3週間、鉄道でインド北部を旅する中で

プログラム終了後は、サマースクールで仲良くなったオックスフォード大の友人と、3週間インド北部を鉄道で旅行しました。

普通の旅行より長い時間が確保できたこと、その友人とは、歴史や政治について普段から議論をしていたこともあり、いわゆるぜいたくな観光旅行とは一味違う、ディープな経験をすることができました。

寝台列車で合計4回ほど夜を明かしました

インドの鉄道は、日本の基準からするとあまり快適・清潔とは言えないかもしれませんが、安全で信頼できる交通手段です。穴が開いているだけで、足した用がそのまま線路に落ちていくトイレ(!)などには最初は戸惑いましたが、ころころと移り変わる風景を見ながら友人や周りの人と談笑したり、読書をしたりした時間は、かけがえのない思い出です。

Kalka- Shimla間を結ぶToy Train。5時間で標高1500mほどを駆け上り、世界遺産にも登録されている。

 

寝台列車の様子。いびきがうるさかった隣のおじさん(笑)

 

旅行でも学びの嵐

訪問した各都市で、植民地支配の遺産や、印パの対立について学ぶ機会があり、友人がイギリス出身だったということもあり、何度も熱い議論を交わしました。また、ダライ・ラマの講演を聞いたり、彼が1959年から亡命しているMcLeod Ganjに4日ほど滞在したりした経験を通し、チベットやチベット難民の実情を知り、深く考えさせられる機会になりました。

ヒンドゥー教徒にとって最も聖なる土地、Varanasiでガンジス川のボート・ライドをしたときの写真。岸では屋外で火葬が行われている。
日本庭園の要素も取り入れたMcLeod Ganjのチベット仏教寺院。案内してくれたチベット難民二世のガイドは、チベットへの熱い思いを語ってくれました。

 

収穫は、自分の変化。

全体を通して、インドという国について少しでも知ることができただけでなく、様々な社会問題や倫理的議論、途上国の問題、持続可能性等に対して高い意識を持っている友人たちに囲まれ、それらに対する自分の問題意識、それに対する解答をブラッシュ・アップすることができたことが、一番の収穫だと考えています。

昨年の長期留学に加え、短期語学留学、大学の国際交流プログラム、東大での海外からの留学生の支援など、国際経験を積む度に、日本の普段過ごしているコミュニティーでは中々出会うことのできない人々に出会い、刺激を受け、自分のコアまで変えられる経験をしてきました。
その中で、日本人としての自分、プロフェッショナルを目指す女性としての自分を、長所・短所をひっくるめて良く知り、自信を持つことができるようにもなりました。

留学ほど短期間で、たくさんの刺激を受けられる機会は他に中々ないと思います。将来国際的な仕事を目指している、いないに関係なく、大学主導のプログラムを探したり、トビタテJAPAN等の奨学金プログラムを活用したりして、皆さんもぜひ海外旅行、留学に挑戦してみてください!

特にインド、おすすめです!(笑)

 

かなこさん、ありがとうございましたー!

とっても知的に熱い留学だったようで、すごく読んでいて刺激になりました。

私自身も、「環境を変える」というのは自分をアップデートする最大のチャンス、と思っていて、常に刺激のシャワーを浴びているので、留学のススメは完全に同意です!

では、青山ランチ楽しみにしております~♪

 

 

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