今回は、お茶目で可愛いみんなの妹、高橋梨々花さんに御寄稿頂きました。
途中で歯茎が痛くなっちゃうほどのハードシップを乗り越えた彼女が感じた事とは?
はじめまして!教養学部国際日本研究専攻(PEAK)の高橋梨々花です。
この記事では、今夏、ドイツにて開催された「G20ユースサミット」(Y20)の日本代表団での経験をお話します!
※G20サミットとは:G20各国首脳が経済・金融等の国際問題について討議する首脳会合
※G20ユースサミット(Y20)とは:G20サミットの公式付属会議で、G20参加国の30歳以下の若者(学生、政府関係者、研究者など)で構成される代表団が集まり、国際問題に関する政策提言を共同声明文としてまとめ、G20本会議に提出する。
今回はドイツにて、8日間開催されました。
若者視点で日本外交の一端を担いたくて飛び込んだ
大学では国際日本研究を専攻し、主に東アジア3カ国(日本、中国、韓国)の関係史を学んでいます。
東アジアの国々が様々な問題で政府間及び市民レベルでの解決に至っていない現状は、多国間の合意や和解が非常に難解で、複雑であることを象徴しています。しかし、シリアの情勢の悪化や、世界経済の下方リスクなど今の世界情勢を踏まえると、国際協力は不可欠でしょう。
異なる戦略的目的や観念を持っている国々が、いかに多国間からなる問題の合意に至っているのか、私は興味を抱きました。
そこで、日本の外交について実際に現場に身を置いて学ぶ、絶好の機会だと思い、Y20に参加しました。
さらに、Y20は政策提言がG20本会議に提出されるので影響力があり、国際問題への実際的な解決策について議論できる最適の場でもあったのです。
メルケル首相との会談は一生もの
ドイツにて8日間に渡り開催されたY20では、11の議題の分科会に分かれ、各分科会で議論を進め、政策提言を作成しました。
一番印象に残っているのは、7日目にドイツ連邦首相府を訪問し、各分科会でまとめた政策提言をメルケル首相に発表、意見交換を行ったことです。
90分に渡り行われたメルケル首相との会談では、メルケル首相がY20政策提言の内容を細部まで把握していただけでなく、質問や自身の意見を述べられていた姿勢から、ユースの声を積極的に取り入れていく意欲があるという印象を受けました。
私たちが議論の末まとめた政策提言が、世界のGDPの90%を占めるG20の首脳会談に直接提出されることを実感し、やりがいを感じました。
P.S. ちょっと歯茎が痛かったんですけど
ジャーマンソーセージが食べられない…
私はCombatting Terrorism (対テロリズム)の分科会に所属し政策提言の作成を行ったのですが、分科会での議論の2日目から歯茎が急に痛くなり、美味しいドイツのソーセージやドイツパンが食べられなくなりました(泣)医学部で勉強している他の代表団に相談したところ、「ストレスじゃない?(笑)」と言われ、実際、Y20終了後の帰国日には歯茎の痛みはすっかり治っていたので、やはりストレスや疲れが原因であったようです(笑)
知識量の差を痛感しつつ
ストレスや疲れの原因の一つは分科会ごとの議論にあったと思います。
私が所属していた分科会の他のメンバーは研究者や、国連関係者、弁護士などが集まっており、大学生は私だけ。そのせいもあってか、当初は白熱した高度な議論で知識量の差を痛感し、自身の未熟さを感じ萎縮してしまっていました。
しかし、「自分が危機感を持っている物事について自ら発信しないと満足のいく政策案をまとめることができない」と思い、多少知識の差はあろうとも積極的に討議をすることを務めました。
結果、私が 特に共同声明文に含めたいと思っていた「教育×テロリズム」についての文言も採決され、メルケル首相にも発表されました!
論理性やパワーバランスを越えるものを学んで
Y20では新興経済国11カ国を含む代表団とともに各国の情勢を理解し、意見交換を行い、一つの共同声明文を行います。このプロセスの中で、20カ国という様々な主張や意図が織りなす場で一つの成果物をまとめることはとても難しいということをひしひしと感じました。
しかし、それでもY20では、宗教や国籍、人種や年齢が異なる若者たちで、一つの共同声明文をまとめることができました。
これは、論理性や国々のパワーバランスだけでなく、知識、オープンネス、イノベーションや互いへの思いやりがあったから実現できたことだと思うのです。この場で学んだ事を、まずこれから大学で東アジアの研究をするときに生かしていくことが、私の次のステップで、目標でもあります。
りりかさん、ありがとうございましたー!
ジャーマンソーセージが食べられなくなるくらい歯茎が痛む事もあった8日間。しかし自ら飛び込んでみた事で、とても多くを学べたようです。
こうして新しい事にチャレンジしてみることを広げ、たくさん吸収していきましょう。
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