今回は、農学部森林環境資源科学専修4年生の小林りおなさんに御寄稿頂きました。
可愛らしい女の子に見えるりおなさん。農学部で山を登り、虫と戦い、大穴を掘り、、、どうやら、真の森ガールへと進化したようです!
農学部って、謎多きところではないでしょうか?そもそもキャンパスが隔離されているし。
何を勉強しているの?卒業後は農家になるの?w
なんて思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、農学部の中でもさらにマイナーな学科である、森林生物科学専修・森林環境資源科学専修についてご紹介したいと思います。
どんな学科なの?
私が所属している森林環境資源科学専修(長い。院試の願書を書くときに枠に収まりきらなかった。)は、森林・林業のことならなんでも扱う、ひろーくゆるーい学科です。
たとえば、木がどうやって栄養を吸収し成長しているかを知る樹木生理学、林業を持続的に営んでいくための経理学、水資源を供給しかつ大雨時の洪水を防いでくれる森林を目指す砂防工学…。
そもそも農学部としてひとくくりにしていいのか怪しいくらい、様々なアプローチで森林を科学しています。
この学科の特徴を一つ挙げるとしたら…?
それは間違いなくフィールドワークの多さです。
実は、東大は演習林という研究用の森林を日本各地に所有しています。北は北海道から西は愛知まで。富士山のふもとにもあります。
学生は夏休み返上でこれらの演習林を訪れ、実習を行うのです。
実習は、はじめのうちはとても過酷に感じられます。
山登りは大変だし、虫とかヒルとかたくさんいるし、トイレは無いし…。女性だからといって手加減はありません。
でも慣れというのはすごいもので、実習漬けの一夏が終わるころにはそれほど大変に思わなくなります(笑)
私は数々の実習を通して、縄一本で木に登るスキル、服が汚れるのも厭わず地面に大穴を掘るスキル、朽ちた丸太の中からクワガタの幼虫を見つけ出すスキルなど、他では学ぶことのできない技術をたくさん習得しました。
(本当はもっとまじめなことも勉強してますよ!笑)
実習の数日間は演習林内にある施設で寝泊まりします。ここでの学科同期との共同生活も、実習の醍醐味と言えるかもしれません。
一日作業して疲れた体をおいしいごはんとお風呂で癒し、宴会が催されることもしばしばです(と書くと聞こえがいいですがほぼ毎晩飲んでいます)。
森林生物科学専修・森林環境資源科学専修にご興味持っていただけたでしょうか?
実習をともに乗り越えた同期たちとはとても仲良くなれますし、先生方はどなたも本当に親切で、尊敬できる方ばかりです。
そんな私の将来の夢
そもそも私がなぜこの学科に進学したのかというと、以前から熱帯林の減少に強い興味を持っていたからです。
幼少期をマレーシアで過ごしており、熱帯林の違法伐採や火災がニュースで報じられるたびに、どこか他人事とは思えないような危機感を覚えました。
森林は木材の供給してくれるだけでなく、CO2の吸収源であり、土砂災害を軽減する存在でもあり、そして熱帯地域では特に、様々な生物のすみか、すなわち生物多様性の源になっています。
このように大切な森林が、保有国(多くは発展途上国)の不安定な社会・経済のせいで、またパーム油やコーヒー等を求める世界市場からの圧力のせいで、失われてはならない。
そんな思いからこの分野に関わりたいと考えるようになりました。
現在は樹木生理学や土壌学について勉強しており、皆伐や火災のせいで荒廃してしまった土地に再び森林をつくるための知識・技術を習得したいと思っています。
技術的(理系的とも言えるでしょうか)な観点から森林減少抑制に関わりたいという気持ちが強いですが、問題を根本的に解決するためには社会経済面からのアプローチの方が重要なのではないかとも思いますし、進路については完全に迷子です(笑)。
ですがどんな形であれ、
世界の森林が減少するのを防ぎ、森林を利用して生活している人たちの暮らしが損なわれないような社会をつくることに貢献したい
というのが私の目標です。
りおなさん、どうもありがとうございましたー!!^^
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