今回も、公募にて御寄稿頂きました!
そんな積極性が記事にも表れ、そして何より彼女自身の変化の様子がまっすぐに伝わってきて、素敵だなと思います。
それでは、どうぞ。
みなさんはじめまして。
私は新領域創成科学研究科というなにやら聞きなれないところで国際協力学の研究に燃える大学院生、吉岡渚です。
今回記事を書かせていただいたのは、私が情熱を注いでいる「災害ボランティア」について一人でも多くの方に関心を持っていただければと思ったからです。
バックパックに荷物を詰め、被災地に通い続けて
先月、九州地方で豪雨災害が発生し、36名もの方が亡くなられるという事態が発生しました。同じく、秋田県も激しい豪雨に見舞われたという報道はみなさんの記憶に新しいのではないでしょうか。
わたしはこうしたニュースを見て、動かずに入られません。
テレビ越しに被災地を案ずるでも、募金箱になけなしの小銭を入れるでもなく、現場に行きます。
無理やり予定をこじ開けて、でっかいバックパックに作業着と長靴を詰め込んで夜行バスに乗り込む。
こうしたことが今では恒例になりました。
そうせずにはいられないんです。
私が被災地に足を運び続けるわけ
現実を、光景を目に焼き付けることで
毎日毎日、家に溜まった土砂や泥を掻き出す地元の人たち。ご老人だけの世帯ではなかなか処理しきれない。しだいに減って行く平日のボランティア。
報道が去ろうが、被災地の日常は続いている。
その現実を、その光景を目に焼き付けておかなければならない。
これが、私が被災地に足を運びつづける理由です。
私一人ができることはせいぜい浸水家屋の床板剥がしや、床下の泥かきくらい。
(それでも泥々になったニッカを履いてバールを振り回してる東大生は私くらいなのではないかと自負しています笑)
ですが私には、災害の脅威を肌身で感じ、現場のリアルを知ることで
これを世界に発信したい、そして災害によって奪われる命を世界から一つでもなくしたい
そんな想いがあります。
災害ボランティアに至った思い
環境問題への興味から、災害への関心へ
私は小学生の頃から環境問題に関心がありました。
本気で「将来火星にすまないといけないの?そんなのやだやだ!」と泣いていたあの頃の自分は可愛いものです。
そうして芽生えた危機感が、大人になるにつれて少しずつ「地球温暖化によって世界の災害が増加する(かもしれない)」という問題にシフトしていきました。
これは賛否両論あるところではありますが、気候変動問題(あるいは、もうちょっと一般的なワードを使うと地球温暖化)によって台風の大型化や、局地的な豪雨の危険性が増大すると(一部で)いわれています。
そしてその犠牲者の大半がインフラや法整備が未発達な開発途上国に集中しているそうです。
わたしは、この目で多くの被災地を見つめてきました。
あの恐怖が次々に、どこかの誰かに降りかかる。そしてそれはいつか歯止めが効かなくなってしまう。
想像するだけで恐ろしいと感じました。
そして同時に、気候変動問題が私たち先進国の産業化の負の産物として生まれたのであれば、その影響を受けるのが開発途上国の脆弱な人々、という構図に不公平感を感じたんです。
ちょうどその頃に、大型台風の襲来によって6000人を超える死者を出したフィリピンにボランティアで訪れました。
開発途上国の災害の被害は、日本とは比べ物にならないほど甚大であることに衝撃を覚えました。
世界のどこかの誰かにとって、災害の恐怖はもっともっと身近なのかもしれない。
私には何ができるだろうか。
京大を卒業する年にはそんなことを悶々と考えていました。
国際協力としての災害アプローチを
その時、私の頭の中で
「気候変動問題」+「災害」+「どうにかしなきゃ!(使命感)」=「国際協力」
というのがぴたっ!と繋がったんですね。
京都大学経済学部時代には環境経済学を学んでいました。
「京大から東大に来た」というとレアがられることがしばしばあるのですが、私の場合は「あ、私がやりたいことって結局、国際協力なんじゃないかな…?」という考えに至ったことが東大に来た理由です。
それまで環境問題をどうにかしたいと考え続けて、環境経済学を京大で学んでいた私は、学問ベースではなくて取り組みたい問題ベースで大学院進学を考えました。
いわゆる「国際協力〜〜」(途上国で学校建てちゃうイメージ)という人間ではありませんでしたが、意外と自分にフィットしています。
国際協力学は幅が広くて奥が深い!
今も私は自分の問題意識を貫き、経済学の視点から気候変動をテーマに研究をしています。
これからも被災地に足を運ぶことがあるかもしれません。その場その場で全力で、自分にできる限りの活動をする。今の私にはそれしかできません。
でも、いつか、国際社会を舞台に災害に強い世界づくりに貢献したい。
災害をこれ以上増やさない世の中を実現したい。
そんな風に思っています。
読んでくださってありがとうございました!
渚さん、ありがとうございましたー!
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