失敗も自信を失う事も毎日のこと。そう語る彼女が自分を見つけていく姿とは

今回は、韓国出身ながら日本語も英語もフランス語もぺらぺら、何より、国境を越えた温かさを持つ、エレンにご寄稿頂きました。

彼女が苦しみながらも自分を見出していく告白は、非常に読み応えがあります。スマートで愛らしい彼女の言葉をどうぞ。

こんにちは、経済学部金融学科4年のエレンです。

このように文章を通して間接的ながらも皆さんに会えて嬉しいです。
この文章が少しでも皆さんの心に響きあたたかい気持ちにさせてくれればと願いながら書かせていただきます。

 

経済学の面白さ

まだ勉強を始めて間もないですが、私は経済学に興味を持って学んでいます。

私が駒場の時に好きだった授業は経済史と統計でした。マックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」が授業プリントに紹介されていた日のことを鮮やかに覚えています。倫理と資本主義という二つの言葉が並んでいるだけで私は驚きが隠せなかったのです。

経済学者は人の心と精神を覗き込み、価値観や信念などの抽象的な概念を計量化してその行動を分析しようとしています。経済学が個人の行動を説明できるはずがないという批判を受けても当然だと思います。外れ値はどこにでも存在するし正確に計量化することは難しいからです。しかし、大きな流れを読み取ることで人間を理解しようとする試みは十分な価値があることだと思います。

 

憧れを頂いて入った東大。試行錯誤と寂しさと。

私の出身は韓国です。高校までの教育のほとんどは韓国でした。ほとんどというのは途中アメリカと日本で現地の中学校に通ったことがあるからです。従って英語も日本語も中学生の頃から不自由なく使いこなすことができました。

違う国で勉強することへの不安はあったものの、言語ができたので東大も選択肢には入っていました。
ちょうど受験生になった春に、東大経済学部卒の先輩が母校訪問で高校に来てくれました。国際機関でのインターンやグローバル金融市場を舞台に活躍している先輩の姿に憧れ、最終的に東大に行くことを決めました。

憧れを抱いて入った東大での一年目は、試行錯誤の繰り返しと寂しさまみれでした。

’文化の違い’という一言では表せない無言の壁を感じることもありました。東大は多様性が足りないと言われています。しかし、これから増やしていけばいいだけの話でそれ自体は大した問題ではないと思います。肝心なのは多様性を受け入れる心の寛容さを整えることではないでしょうか。

何かしら吐き口が欲しくなり、自分の強みでもある言語の勉強へ没頭するようになりました。自分らしさを守れる最後の砦でもあったのです。

新たな冒険で、新たな自分を発見して

悩みは何も解決できてないながらも、私は新しい冒険に旅たちました。フランスへの語学留学です。国際機関で英語と並立して使われる言語を身につけることで将来の選択肢が増えればなと思ったのは後付けの理由であって、本当は逃げたいという気持ちだけだったかもしれません。

フランスの語学学校に通いながらゆったりとした時間を過ごしていたある日に、先生から言われた言葉があります。

あなたには驚くほどの語学の才能があるということ、今までこれくらい早く言語を習得する学生に出会ったことがないとのことでした。

その言葉は私の破れてしまった心を癒すに十分な力があり、私を変えてくれました

今までは自分の意見をいうことを恐れ謹んでいたのですが、身についた言語で積極的に意見を述べるようになり、人と議論することが楽しくなり始めたのです。

 

自分らしさを取り戻した時期

そして桜が咲き終えた頃に東京に、東大に戻ってきました。数学、経済、英語、フランス語、中国語の科目を受講しながら勉強が純粋に楽しくなりだんだん自分らしさを取り戻していきました。

今度こそは身についたフランス語で大学授業を受けてみたいという根拠もない勢いでフランスへの交換留学を目指したのは2年の秋頃です。

3年になり本郷での授業が始まり、ちょうど経済学部のゼミの募集の真最中の春に、私は再びある先生の言葉が心に響きます。ゼミの面接でのことでした。

「研究者たるものは中立的に物事を見なければいけないのに、私はどうしても自分の価値観が入るのです。」と率直に先生に打ち明けました。それに対しての先生の返事が忘れられません。

「地球が磁石であることを発見した物理学者の最初の問いは、‘神様が作ったこの地球がただの石であるわけではない’だったらしいの。あなたが持っている価値観を捨てる必要は全くない。むしろそれを大切にしながら研究に臨むことは素晴らしいことだよ。」

パリで、そして東京で、苦労もして、成長もして

そして3年の夏はパリ政治学院で、秋と冬はエコールポリティークで政治・歴史・経済などを学びました。経済の基礎ともなるマクロ経済学とミクロ経済学の知識があまりにも足りず、相当苦労しました。フランス語で授業を聞き取ることも大変ではあったもののそこまで苦にはならなかったです。

それよりも、授業のレベルが高く、基礎を飛ばして応用から学び始めるような感覚でした。周りのフランス人の学生に対してあまりにも数学のバックグラウンドが足りないことを実感しつつ勉強へのモチベーションはできたものの、学んだものを消化することは最後まで難しかったです。

そして、また私は人生の恩師に出会います。交換留学先でゲーム理論を教えている日本人の教授です。先生に助けられ励まされながら、また勇気を出して生活し続けることができました。勉強面だけでなく毎日のことを相談できる親のような方だったので今でも感謝の気持ちで頭が上がりません。

 

交換留学から戻ってきてから東大での毎日はとても楽しいです。経済学部のゼミには優秀な後輩が入ってきて刺激をもらっています。そして足りない経済学の勉強を補うことで精一杯なのですが、欲張りな気持ちで語学も忘れないように心がけています。

最後に

さて、みなさんのイメージの中の東大女子と異なるでしょうか?

ハードな環境に置かれ、苦労しながらもなんとか周りの助けや励ましにより生き続けている、ごく普通の女子の話ではなかったのでしょうか。

乗り越えられない壁にぶつかり、途方にくれることも失敗することも多いです。自信を失うことだって毎日のことです。しかし、誰かに助けてもらいながらも続けられていることは奇跡のようなことだと思います。

だから、私たちは、世の中のどこかで誰かを助け、励ますことのできる人でありたいです。

最後に、東大を目指す子は恐れることなくこれからの素敵な出会いとチャンスにときめきながら頑張ってほしいです。
大変かもしれませんが自分を信じて最後まで諦めないでください。心より応援しています。

 

エレン、ありがとうございました。

もがきながらも自分を見つけ、成長していくエレンを知り、本当に素敵だな、と思いました。

世の中のどこかで誰かを助け、励ますことのできる人でありたい、という思い、ずっと心から応援しています!

 

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